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れきたん歴史人物伝
れきたん歴史人物伝は、歴史上の有名人の誕生日と主な歴史的な出来事を紹介するコーナーです。月に一回程度の割合で更新の予定です。(バックナンバーはこのページの最後にもまとめてあります)


4月号 2010年4月30日更新

【今月の歴史人物】
数学王の生涯
ガウス
1777.4.30〜1855.2.23

今月号のイラスト
ガウス
次元がチガウ数学の天才。
(C) イラストレーション:結木さくら


4月の主な誕生人物
01日 親鸞/鎌倉時代の僧
01日 ビスマルク/政治家
01日 浜口雄幸/政治家
02日 アンデルセン/童話作家
02日 ゾラ/小説家
03日 アーヴィング/小説家
03日 長塚節/歌人、小説家
04日 山本五十六/軍人
05日 ホッブス/哲学者、政治学者
05日 内田魯庵/評論家、小説家
05日 カラヤン/指揮者
06日 ラファエロ/画家
06日 ミル/歴史家
06日 モロー/画家
07日 法然/平安、鎌倉時代の僧
07日 ザビエル/宣教師
07日 ワーズワース/詩人
07日 鈴木梅太郎/化学者
07日 小川未明/童話作家
08日 フッサール/哲学者
08日 岸田吟香/ジャーナリスト
09日 ボードレール/詩人
10日 ペリー/軍人
10日 グロチウス/法学者、政治家
10日 香川景樹/歌人
10日 ピュリッツアー/ジャーナリスト
10日 レーニン/革命家、政治家
11日 広瀬淡窓/江戸時代の儒者
11日 パーキンソン/医師
11日 小林秀雄/評論家
12日 マイヤーホーフ/生理学者
13日 トレビシック/発明家
14日 ホイヘンス/物理学者、天文学者
14日 トインビー/歴史家
15日 レオナルド・ダ・ビンチ/画家、彫刻家、科学者
15日 内藤鳴雪/俳人
16日 チャップリン/映画俳優、監督
16日 虎関師錬/僧
16日 ライト(ウィルバー)/発明家
16日 フランス/小説家
17日 板垣退助/政治家
17日 モルガン/実業家
18日 ズッペ/作曲家
19日 フェヒナー/心理学者
20日 犬養毅/政治家
20日 ナポレオン3世/仏皇帝
20日 ヒトラー/独裁者
20日 ミロ/画家
21日 ブロンテ(シャーロット)/小説家
21日 ウェーバー/社会学者
22日 カント/哲学者
22日 オッペンハイマー/物理学者
23日 プランク/物理学者
23日 ターナー/画家
24日 カートライト/発明家
25日 川路聖謨/江戸時代の武士
26日 シェークスピア/劇作家
26日 ドラクロワ/画家
27日 モールス/発明家
27日 スペンサー/哲学者
28日 伊藤東涯/江戸時代の儒者
28日 山田検校/筝曲家
29日 ポアンカレ/数学者
29日 田口卯吉/経済学者
30日 ガウス/数学者

ガウス、といえば「どこかで聞いたことがある」と思う方はきっと多いでしょう。それは、ガウスの名を冠した重要な法則が科学の世界に数多く残っていて、言葉としての「ガウス」が今なお生きているということが大きいでしょう。その一方で、歴史人物としてのガウスを詳しく知っている人は案外少ないのではないでしょうか。しかし、ガウスという人は人類史上でも稀な数学の天才であり、「数学王」の異名まで持っているのです。
今回はガウスの生涯を見てみることにしましょう。

「1から100まで足す」
ガウスは1777年、ドイツのブラウンシュバイクというところで誕生しました。両親はそれほど裕福ではない一般庶民であったようです。
歴史上に残る天才の多くがそうだったように、ガウスも幼い頃から高い能力を発揮しました。それも、神がかっていると言っていいほどの驚異的な力です。後に彼自身「言葉を覚えるより早く計算を覚えた」と語っています。これが正真正銘の真実かどうかは分かりませんが、それに近いほど賢かったのは間違いないようです。
ガウスの少年時代における最も有名なエピソードをご紹介しましょう。ガウスが10歳にもなっていないある時のことです。学校で先生に「1から100までを全て足し算しなさい」という課題を出されました。これはガウスがどんな問題を出してもあっという間に解いてしまうので、少し時間のかかる問題を与えようという意図だったとされますが、これもガウスはあっと言う間に解いてしまったのです。
もちろん、ガウスはただ1から100まで足していったわけではありません。もっと効率のよい方法を思いつき、それで答えを出しました。以下でご紹介しましょう。

まず、1から100までの数字が二組あると考えます。そして、そのうちの一組を1から100へ、もう一組を100から1という順番にし、それらを縦に並べます。
[1、2、3、4……97、98、99、100]
[100、99、98、97……4、3、2、1]
これで、対応する上下の数字を足してみるとどうなるでしょうか。
[101、101,101,101……101、101,101,101]
と、「101」が100個並ぶはずです。これらを全て足してやると「10100」になります。この「10100」とは二組の1から100までを全て足した数字ですから、これを2で割った「5050」が、1から100までを足した答え、となります。

文字だけで表すと少しややこしいですが、お分かりいただけたでしょうか。数学的には「等差数列の和を求めた」ということになるそうです。

「正十七角形」
ガウスはその後も順調に成長しました。その数学の力はますます冴え、地元の公であるブラウンシュバイク公の目に留まり、援助を受けるほどになりました。ガウスに学者ではない普通の商売について欲しいと考えていた父親も、息子が巨大な才能を持っていることを徐々に理解し、ついに学者になることを認めました。
しかしながら、ガウス自身はかなり謙虚でした。十代の間、数学の道を進むことに確信が持てず、もう一つ興味のあった言語学者になろうかと迷っていたというのですから。
ガウスが数学者になると決めたのは19歳のときでした。きっかけは正十七角形をコンパスと定規で作図する方法を発見したこと。当時はコンパスと定規だけで正確に作図できる正多角形といえば正三角形と正五角形だけだと考えられており、正十七角形の発見は、数学的にはとんでもない大事件でした。いや、事件という言葉ではおさまらないのかも知れません。数学史に残るほどの(実際に残っていますが)業績でした。ちなみに、同様にコンパス・定規での作図が可能な正多角形は今日でさえあと2つしか知られていません。それは正257角形と、正65537角形だそうです。
ともかく、これによってガウスは自信を持ち、数学者になろうと決めたのです。いかにも数学者らしいエピソードですが、ここまでの発見をしなければ自信が持てないというのは、大天才ならではと言うか、ちょっとスケールの違う感覚としか言いようがありません。なお、この発見については、1796年3月30日になされたという日付までが伝わっています。

多くの業績
その後、ガウスはめでたく数学者となり、数々の業績を残します。1801年に出版された『整数論研究』はガウス最大の業績の一つですが、史上の天才がなした著作の例に漏れず、当時理解できた者はほとんどいなかったといいます。また、数学分野における天才的能力は他の分野にも応用され、それぞれに多大な貢献をなしています。例えば、その後半生においては天文学の研究を重点的に行って多くの業績を残しましたし、ほかにも力学や光学、電磁気学などの多彩な分野に貢献しました。磁束密度の単位が彼にちなんで「ガウス」と名付けられていることはあまりにも有名です。

ガウスという人物
ガウスの個人的生活についても触れておきましょう。
ガウスは「○○の創始者」「○○の発見者」という肩書きを多数持っているのですが、それに比べて、彼が生前に発表した論文や書物はそこまで多くありません。死後に出版されたものも多くあります。ガウスがいかに物凄い人だったか、どれだけのことを発見していたか、その全貌が分かったのは、20世紀に入ってからだとされます。ガウスという人は、名声を求めない、どちらかというと静かに研究に没頭していたいタイプの人だったのでしょう。
ガウスは生涯に二度結婚しています。はじめの妻と結婚したのは30歳になる前。ガウスは彼女を非常に愛したものの、妻は若くして亡くなってしまいます。その後再婚しましたが、この二人目の妻との仲はあまりしっくりいかなかったようです。子どもは二人の妻との間に合計6人ありました。
今日では「数学王」とまで言われるガウスですが、若き日に一度は志した言語学、また文学についても愛好していました。ヨーロッパ各国語の文章や詩を読み、宗教や哲学についても造詣が深かったといいます。
そんなガウスが亡くなったのは1855年の2月23日のこと。78歳という長寿でした。

 
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