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れきたん歴史人物伝
れきたん歴史人物伝は、歴史上の有名人の誕生日と主な歴史的な出来事を紹介するコーナーです。月に一回程度の割合で更新の予定です。バックナンバーはこちらから(このページの最後にもまとめてあります)


2月号 2009年2月27日更新

【今月の歴史人物】
中大兄皇子と中臣鎌足のコンビネーション
大化の改新・乙巳の変
皇極4(645).6.12

今月号のイラスト
大化の改新
中臣の塊展示処分645円で入るか?と覚えてテストで5点もぎ取れば吉。
(C) イラストレーション:結木さくら


2月の主な誕生人物
01日 児島惟謙/裁判官
02日 菅茶山/江戸時代の儒者
02日 ジョイス/小説家
03日 メンデルスゾーン/作曲家
03日 河竹黙阿弥/歌舞伎作者
03日 西周/思想家
04日 リンドバーグ/飛行家
05日 若槻礼次郎/政治家
06日 アン女王/イギリス女王
07日 モア/思想家
08日 ヴェルヌ/小説家
09日 原敬/政治家
10日 新井白石/江戸時代の政治家、儒者
11日 エジソン/発明家
11日 小林古径/画家
11日 折田信夫/歌人、民俗学者
12日 ダーウィン/博物学者
12日 リンカーン/政治家
13日 渋沢栄一/実業家
13日 ショックレー/物理学者
14日 豊田佐吉/実業家、発明家
14日 広田弘
/政治家
14日 中川一政/画家
15日 井伏鱒二/小説家
16日 日蓮/鎌倉時代の僧
16日 荻生徂
/儒者
16日 大隈重信/政治家
17日 シーボルト/医者、博物学者
17日 島崎藤村/詩人、小説家
18日 フェノロサ/美術研究家
18日 マッハ/物理学者
19日 コペルニクス/天文学者
20日 志賀直哉/小説家
20日 ボルツマン/物理学者
21日 ザビニー/法学者
22日 ショーペンハウエル/哲学者
22日 ヘルツ/物理学者
22日 高浜虚子/俳人
23日 ヘンデル/音楽家
23日 本多光太郎/物理学者
23日 ヤスパース/哲学者
24日 パークス/外交官
24日 グリム(ウィルヘルム)/言語学者、童話集成家
24日 陸象山/儒者
25日 ルノアール/画家
25日 松方正義/政治家
26日 ユーゴー/小説家、劇作家
26日 与謝野鉄幹/歌人、詩人
27日 ロングフェロー/詩人
27日 シュタイナー/哲学者
28日 モンテーニュ/思想家
29日 ロッシーニ/作曲家

日本史を学ぶ子供たちが、教科書でほとんど初めて遭遇することになる大事件といえば「大化の改新」ではないでしょうか。日本人のほとんどが「大化の改新」という事件名を記憶していると言っても過言ではないでしょう。
さて、まもなく日本通史を扱う歴史人物ポスター「壁歴」が発売されます。それにちなみ、2月という月とは関係がありませんが、「大化の改新」という出来事、そしてそれを引っ張った中大兄皇子と中臣鎌足について今回はご紹介します。
※中大兄皇子は即位後に天智天皇となり、中臣鎌足もいくつかの別名を持っていますが、ここでは「中大兄皇子」「中臣鎌足」で統一します。

当時の政治風景
大化の改新が行われる直前の7世紀前半頃には、豪族・蘇我氏の一族が政治において絶大な権力を持っていました。6世紀に活躍した蘇我稲目(いなめ)という人物が政権内での蘇我氏の力を大いに伸ばし、その子の蘇我馬子(うまこ)がそれを受け継ぎました。蘇我馬子は聖徳太子とともに政治の指揮をとった大物としてその名を記憶している方も多いかと思います。彼ら蘇我氏は一族の娘たちを次々と皇族のもとに嫁がせたり、物部氏などの有力豪族と争って追い落とし、蘇我氏の権力を盤石のものとしました。その力はいつしか、天皇の即位、退位や各種政策の決定をほとんど自由にするほどの強大なものとなり、その状態は馬子の子である蘇我蝦夷(えみし)、その子入鹿(いるか)の代まで続いていました。

中大兄皇子
後に天智天皇となる中大兄皇子(なかのおおえの・おうじ/みこ)は、そんな時代に生まれた皇子でした。おそらく推古34(626)年ころに生まれたと考えられています。父は舒明天皇、母はその妃であり、舒明天皇の死後に皇極天皇となる人物でした。
この皇極天皇が皇位を継承したのにはわけがあります。中大兄皇子の父・舒明天皇が亡くなった時、蘇我氏は自らと縁の深い古人大兄皇子(ふるひとのおおえの・おうじ/みこ)を次の天皇としようとしていたようですが、話はまとまらず、結局「ピンチヒッター」として皇極天皇が立ったのです。
この時、中大兄皇子も含め、幾人かの後継候補があったのですが、中でも蘇我氏にとって厄介だった思われるのが山背大兄王(やましろのおおえのおう)という人物です。山背大兄王は古くから蘇我氏と対立していた皇族です。皇族ですから、自らが皇位につくことも可能。蘇我氏が望みの人物を皇位につけようとするならば、まことに邪魔な人物と言えます。そんな王を、蘇我氏は結局暗殺という形で排除します。皇極天皇の即位から数年後のことです。
こんなごたごたを横目に見ながら、中大兄皇子は青春時代を過ごしたのです。蘇我氏への印象はかなり悪かったに違いありません。

中臣鎌足
ここで登場するのが中臣鎌足です。鎌足が誕生したのは推古22(614)年のこととされます。中臣氏は当時の中央豪族で、代々朝廷の祭祀をつかさどっていました。それなりの権力を持ってはいたものの、トップとは言えない豪族だったようで、言わば第2グループの豪族といった勢力です。
若き日の鎌足は秀才で、よく学問に励んだといいます。やがては中臣氏を引っ張る立場として家業を継ぐはずでしたが、なぜか鎌足はそれを拒否し、摂津三島という土地に引きこもったといいます。どうやらこの頃、鎌足は蘇我氏打倒という野望をあたためていたようなのです。そんな鎌足が、やがて具体的な行動を開始します。

二人は出会った
まず鎌足が欲したのは味方でした。ともに蘇我氏と対峙するのに適した人物として鎌足が白羽の矢を立てたのは、皇極天皇の弟にあたる軽皇子(かるのみこ)、そして皇極天皇の息子にあたる中大兄皇子だったのです。
鎌足が中大兄皇子に接近したときのエピソードが伝えられています。それは中大兄皇子が蹴鞠に興じていたときのこと。皇子が鞠を蹴った時、その履物がすっぽぬけて飛んでゆきました。そばに控えていた中臣鎌足がそれを取り上げて皇子に捧げ、皇子はそれを受け取ります。こうして二人は知り合ったというエピソードです。
その後、鎌足は蘇我氏に反感を持つほかの豪族らも仲間に引き入れ、打倒蘇我氏をめざして突き進みます。その思いは、蘇我氏の実力者・蘇我入鹿の暗殺計画として、いよいよ具体化されてゆきました。

計画実行
蘇我入鹿暗殺が実行されたのは皇極4(645)年6月12日のことです。
その日、朝廷では三韓(百済・高句麗・新羅)の使者を迎える儀式が行われ、天皇や重臣らが出席することになっていました。むろん蘇我入鹿も出席します。鎌足と中大兄皇子らは、入鹿が無防備となるこの時を狙って、彼の暗殺を企てたのです。
儀式がはじまると、鎌足と中大兄皇子は、剣を携えた実行役の人物とともに隠れ潜み、機をうかがいました。儀式では係の者が文書を読み上げています。この人物も実は暗殺計画の協力者でした。
さて、儀式は進んでいきますが、いっこうに暗殺が行われる様子はありません。文書を読み上げている人物の声は、緊張と恐れのため、入鹿が怪しむくらい震えてきます。なぜ暗殺が行われないのか。それは、この土壇場で実行役の人物は恐れをなし、入鹿に斬りかかることができないでいたからでした。この膠着状態を破ったのは、中大兄皇子その人です。皇子は自ら儀式の場に飛び出してきっかけを作り、ついに暗殺を成功させました。
休む間もなく鎌足と中大兄皇子らは兵の準備をします。入鹿の父・蘇我蝦夷を討つためでした。蝦夷も抵抗する腹づもりだったようですが、劣勢はいかんともしがたく、翌日には自邸に火を放って自殺しました。さらにその翌日、軽皇子が孝徳天皇として即位し、中大兄皇子は皇太子となりました。ここに計画は完遂したのです。まもなく日本初の公式元号とされる「大化」も定められました。
ちなみに、これら一連の事件を「乙巳の変(いっしのへん)」とも呼びます。この事件を指して「大化の改新」と呼ぶこともしばしばありますが、どうもそれは適切ではないようです。乙巳の変はあくまでクーデターであり、改新そのものはクーデターののちに始まるからです。つまり、翌年の改新の詔からはじまる政治改革をもって「大化の改新」とする、あるいはそれらに「乙巳の変」を加えた全ての改革を「大化の改新」とするほうが正確であるようです。
その後、蘇我氏の勢力は急激に衰え、中大兄皇子と中臣鎌足らによる新しい政治が始まります。翌年には新しい政治の形を示す「改新の詔」も出されました。これには公地公民の制や戸籍制度などについて触れられており、後の中央集権国家、律令国家に向けてのスタート地点となるものでした。

鎌足の死
以後、彼らの改新政治が進んでゆきますが、中大兄皇子は長く皇子のままでいました。中大兄皇子が即位し、天智天皇となるのは、改新から20年以上も後のことです。
その即位後しばらくして、中臣鎌足は病に倒れました。床に伏している鎌足を、天智天皇は自ら見舞ったといいます。それから間もなく、鎌足は亡くなりました。天皇は鎌足が死ぬ前日、朝廷の最高位である大織冠を授け、藤原の姓を与えました。この藤原の名は鎌足の子孫へと受け継がれ、平安時代にその絶頂期を迎える藤原氏の系譜につながってゆくこととなります。
※乙巳の変や大化の改新については、今もさまざまな説や史料の解釈が提示されています。ここでは、現在のところ、一般的、伝統的と思われる説に従ってエピソードや人間関係を記述しました。

 
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